AKAI MPC Softwareのデータ構成について
はじめに
「HIPHOPでトラックメイキングするならAKAIのMPC!」とはよく言いますが、MPCって結構難しくて、正直よく分からないって人いませんか? 自分がそうだったのもあって少しづつ解説していこうと思い、記事を書くことにしました。
僕はMPC Softwareを使用しているので基本的にそのソフトの説明になりますが、ハードのMPCや他のサンプラーに関しても考え方の大枠は当てはまるかと思いますので、サンプラー初心者の方もよければ見てみてください。
MPCデータ構成
MPCは音楽を作る機材なので最終的には一つの楽曲になるわけですが、そこに至るまでに様々な形式のデータを作ります。
まずMPCで曲を作る時のデータ構成を図でざっくり表現してみました。
Song (曲) ├ Sequence (フレーズ) │ ├ Program (シンセサイザー) │ │ ├ サンプリングソース (音ネタ) │ │ └ サンプリングソース (音ネタ) │ └ Program (シンセサイザー) │ └ サンプリングソース (音ネタ) └ Sequence (フレーズ) └ Program (シンセサイザー) └ サンプリングソース (音ネタ)
楽曲は全部で4種類のデータ形式でできています。
Songは1個以上のSequenceで構成されており、Sequenceは1個以上のProgramで構成されており、Programは1個以上のサンプリングソースから構成されています。
一つ一つ説明していきましょう。
・サンプリングソース (音ネタ)
レコードやCDの一部分を録音して、曲の材料にするものです。いわゆる音ネタ。 一番ベタなのは「曲のイントロでギターが鳴ってる箇所」みたいな感じですが、極端な話音なら何でもOKです。
これをパッドにアサイン(割り振る)することでパッドを叩くと音が鳴るようになります。
・Program (シンセサイザー)
まずシンセサイザーについておさらいします。
シンセサイザーには大きく分けると二つ種類があります。
ハードウェア・シンセサイザー
microKORG のようにキーボードの中に音源が複数入っているもの。
ピアノやベースの音などが入っており、音源の切り替えを行って鳴らす音を変更できます。 電子ピアノとかを想像してもらうと分かりやすいです。ソフトウェア・シンセサイザー
PC内にソフトとして立ち上がり、PC画面の鍵盤をクリックすると音が鳴ります。
MIDIキーボードなどを使えばハードシンセのような使用感で演奏することもできます。
どちらにも共通しているのは、シンセサイザーに入っている音はあらかじめ決まっており、基本的にシンセサイザーの中身をカスタムすることはできないということです。(パラメータをいじって音作りはできるけど)
これを可能にするのがMPCや他のサンプラー。
先ほど紹介したサンプリングソースを使用して、オリジナルのシンセサイザーを作ることができます。 このオリジナルのシンセサイザーのことをMPCではProgramと呼びます。
複数のサンプリングソースを各パッドにアサインして、その状態を保存するとProgramデータが出来上がります。
KREVA氏はMPC4000でスネアだけ、クラップだけを集めたProgramとかを作っているみたいです。
自分の好きなようにProgramの中身をカスタムできるのがMPCをはじめとしたサンプラーの醍醐味の一つです。
ファイル拡張子:.xpm
・Sequence (フレーズ)
Programを使用してパッドでフレーズを打ち込みます。 一番MPCっぽいイメージの部分ですね。 この打ち込んだフレーズがSequenceデータになります。
ファイル拡張子:.xsq
・Song (曲)
Seuenceを複数並べたものがSongになります。
異なるSequenceを並べることにより、曲に変化が生まれ展開が作られていきます。
まとめ
以上、大きく分けると4つのデータ構造を組み合わせて初めてMPCで曲を作成することが出来ます。 もちろん各工程にはもっと細かなことが沢山あるのですが、ざっくり言うとこんな感じです。 イメージは湧いたでしょうか?
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